2025年3月21日に日本銀行が発表した2024年10~12月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産の残高は12月末時点で2230兆円に達し、過去最高を記録しました。
これは前年同期比で4.0%の増加に相当し、株価の回復や少額投資非課税制度(NISA)の普及などが主な要因として挙げられます。
本記事では、家計金融資産の増加に至る背景とその影響について、詳細に解説していきます。
家計金融資産の増加の背景

日本銀行が発表した資金循環統計によると、家計金融資産の総額は2024年12月末時点で2230兆円に達し、過去最高を更新しました。
前年同期に比べて4.0%の増加となり、家計の金融資産は順調に増加しています。この増加の要因としては、以下のような複数の背景があります。
株価の回復
2024年の株式市場は、特に下半期にかけて回復傾向を見せました。
これにより、家計が保有する株式や投資信託の残高が増加しました。
株式の市場価値が上昇したことで、家計の金融資産が大きく押し上げられました。
特に、日本株は外国人投資家の買いを引き寄せ、円安が進行する中で、株価の上昇が家計にとって有利な影響を与えました。
NISA制度の普及
新しい少額投資非課税制度(NISA)が導入され、個人投資家の資産運用に対する関心が高まりました。
この制度は、特に若年層や投資初心者にとって、税制面での優遇措置が魅力となり、積立NISAや一般NISAを活用する家庭が増えました。
これにより、投資信託や株式への資金流入が加速し、家計金融資産の増加を後押ししました。
円安・株高の影響
円安傾向が続く中で、株価が高騰したことが、家計の資産運用にとって非常に有利に働きました。
円安は輸出企業の業績向上に寄与し、企業の株価を押し上げる要因となりました。
このような市場環境は、家計の保有する金融資産を増加させる大きな原動力となったのです。
家計金融資産の内訳

2024年12月末時点での家計金融資産の内訳は以下の通りです。
現金・預金
現金・預金は、家計金融資産の中で最も大きな割合を占めています。
12月末時点での残高は1134兆円で、前年比0.6%増となっています。
現金・預金の増加は、景気不安や予測できない経済環境を考慮して、リスクを避ける傾向が強い家計においては自然な動きです。
しかし、低金利環境の影響を受けて、預金の利回りは依然として低いため、家計の投資傾向は投資信託や株式に向かいつつあります。
投資信託
投資信託は、家計金融資産の中で前年比27.4%増加し、136兆円に達しました。
投資信託の増加は、NISAの普及や株式市場の回復により、多くの家庭が積立投資や分散投資を行った結果です。
これにより、個人投資家による資産運用が活発化し、長期的な投資信託の価値向上が家計金融資産を押し上げました。
株式
株式の保有残高は、前年比9.5%増の298兆円に達しました。株式市場の回復に伴い、家計の株式保有額が増加したことがわかります。
特に、企業業績の改善や円安の進行が株式市場の活況を支え、家計の金融資産の増加に寄与しました。
家計金融資産の増加に対する影響

家計金融資産の増加は、個人の資産運用における意識の変化を示すとともに、今後の経済に対しても重要な影響を与える可能性があります。
資産運用の意識の変化
家計の資産運用に対する意識は、確実に変化しています。
低金利時代が続く中で、預金だけでなく、投資信託や株式などのリスク資産への投資が増えています。
これは、長期的な資産形成を目指す家庭が増加していることを示しています。
今後は、より多くの家庭が積極的な投資活動を行うようになると予測されます。
高齢化社会への対応
日本は急速に高齢化が進んでおり、年金制度や老後資金の不安から、資産運用を意識した家庭が増加しています。
特に若年層を中心に、将来の不安に備えて投資信託や株式への積極的な投資が行われています。
このような動きが、家計金融資産の増加に大きく貢献していると言えるでしょう。
今後の展望と課題

家計金融資産が増加したとはいえ、今後の展望にはいくつかの課題も存在します。
まず、株式市場の動向に大きく左右されるため、経済環境の不確実性が高い中で、リスクをどのように管理するかが鍵となります。
また、NISAの制度変更や税制の変更が家計の投資戦略に影響を与える可能性もあります。
まとめ
- 2024年10~12月期の家計金融資産は、2230兆円に達し過去最高を記録しました。
- 増加の要因は、株価の回復やNISAの普及、円安・株高の影響です。
- 家計の資産運用における意識が変化し、リスク資産への投資が増加しています。
- 今後も、投資信託や株式市場の動向が家計金融資産に影響を与えると予想されます。
- 高齢化社会において、資産運用への意識がさらに高まることが予測されます。
- 経済環境の変動に対応するため、リスク管理と長期的な資産形成が重要です。
家計の金融資産が過去最高となった背景には、株価の回復やNISA制度の普及などがあります。
今後も、資産運用に対する意識の変化や経済環境の影響が、家計に大きな影響を与えることでしょう。