2025年大阪・関西万博のシンボルとして世界の注目を集める大屋根リングをめぐり、衝撃的な現実が明らかになった。
ギネス世界記録に認定された世界最大の木造建築物でありながら、その大半が産業廃棄物として処分される見通しとなっているのだ。
日本の伝統的な貫工法を駆使した傑作建築に感動した海外関係者からは「壊すのはもったいない」「ギネス認定が目的だったのか」との厳しい批判が相次いでいる。
✅ 事案チェックリスト
- 事案: 大阪万博大屋根リング大半廃棄方針への海外批判
- 発生場所: 大阪市此花区夢洲・万博会場
- 発生日時: 2025年6月3日報道発覚
- 概要: ギネス記録の木造建築物が一部保存のみで大半廃棄予定
- 注目理由: 海外から「もったいない」と批判
海外関係者が注目する理由

オランダのベルイヤーツ経済相は5月下旬の産経新聞インタビューで興奮を隠さなかった。
「リングの上にあがり、会場を半周した。驚くべき建築物で、衝撃を受けた。日本の職人技を体現している」と絶賛したのだ。
欧州の海外館関係者も「素晴らしい光景。まるで京都の清水寺のようだ」と称賛を惜しまない。
アジアのある国では、自国に同様の建物を建設できないか模索する動きまで出ているという。
柱と梁を組み合わせる日本の伝統的な貫工法を活用したリングは、格子状の幾何学模様を生み出し、海外の人々に強烈な印象を与えている。まさに日本の建築技術の粋を集めた傑作なのだ。
廃棄方針への解説と批判
現在検討されている保存案は一部にとどまり、再利用分を合わせても残りの大半は産業廃棄物となる見通しだ。この方針に対し、海外関係者からは厳しい批判の声が上がっている。
「壊すなんて本当にもったいない。ギネスに認定されたから、もういらないとでも言うのか」と欧州のある政府関係者は疑問を呈する。
特に資源リサイクルに積極的な欧州諸国からの批判は手厳しい。
「私たちはそもそも、修理しながら使い続けることを前提に物をつくる。
直前に開催されたドバイ万博のパビリオンなども大半が残されているではないか」として、日本側に再考を強く求めている。
万博建築の話題と保存問題
過去の万博建築保存状況比較
万博名 | 主要建築物 | 保存状況 | 現在の活用 |
---|---|---|---|
ドバイ万博2021 | 各国パビリオン | 大半保存 | 継続活用中 |
上海万博2010 | 中国館等 | 主要建築保存 | 博物館等として活用 |
愛知万博2005 | 長久手会場 | 一部保存 | 公園として整備 |
大阪万博2025 | 大屋根リング | 一部保存予定 | 未定 |
この比較表を見ると、大阪万博の保存方針が他の万博と比べて消極的であることが浮き彫りになる。
特にドバイ万博では、パビリオンの大半が保存され、継続的な活用が図られている点で対照的だ。
ギネス記録認定の解説と意義

大屋根リングは、直径約615メートルの円形構造で、ギネス世界記録に「世界最大の木造建築物」として認定された。
この記録認定は単なる話題作りではなく、日本の木造建築技術の高さを世界に示す重要な意味を持つ。
- 2023年春 → 建設工事開始
- 2024年夏 → 骨組み完成
- 2024年秋 → 外装工事完了
- 2025年1月 → ギネス記録認定
- 2025年4月 → 万博開幕
しかし、このような偉業を成し遂げた建築物が、わずか半年の展示期間を経て大半が廃棄されることに、海外から疑問視する声が上がるのは当然と言えるだろう。
万博リング廃棄問題のFAQ
- Q1: 万博リングはなぜ廃棄されるのですか?
- A1: 当初から仮設建築物として設計されており、会期終了後の解体が前提とされていました。
- Q2: ギネス認定された世界最大の木造建築物なのに、なぜですか?
- A2: ギネス認定は建築物の功績を称えるものですが、その後の利用や廃棄に関する規定はありません。
- Q3: 海外からはどのような声が上がっていますか?
- A3: 「もったいない」「ギネス認定が目的か」「持続可能性に疑問」といった批判や再考を求める声が多数寄せられています。
- Q4: なぜ再利用や保存は難しいのですか?
- A4: 構造上の問題、移設費用、維持管理費用、跡地利用計画などが課題とされています。
- Q5: 今後、方針は変更される可能性はありますか?
- A5: 現時点では一部保存に留まる見通しですが、国際的な批判や世論の高まりによっては再検討される可能性もあります。
まとめ:今後の課題と改善策の話題
責任の所在について考えると、万博協会や大阪府・市、そして国の方針決定プロセスに問題があったと指摘せざるを得ない。
建設段階から廃棄後の活用方法を十分検討していれば、現在のような批判は避けられたはずだ。
具体的な改善策として以下が考えられる:
- 部分移築による活用: リングの一部を他の建築物に移築活用
- 国際的な寄贈: 関心を示す海外への技術移転を含む寄贈
- 教育施設としての保存: 木造建築技術の研究・教育拠点として活用
- 観光資源化: 万博終了後も観光施設として継続運営
予防策としては、今後の大規模イベントでは建設段階から「持続可能な活用」を前提とした計画立案が不可欠だ。単なるイベント建築ではなく、長期的な社会資産として位置づける視点が求められる。
建築文化への警鐘
🖋 静寂の中に響く木槌の音。職人たちが一本一本丁寧に組み上げた梁と柱が、いま解体の時を待っている。
ギネス記録という栄光の影で、日本の匠の技が産業廃棄物として処分される運命にある。果たして私たちは、何を残し、何を失おうとしているのだろうか。
海外からの賞賛の声は、単なる建築物への評価を超えて、日本の文化そのものへの敬意を表している。
その敬意に応える責任が、いま私たちに問われているのではないだろうか。


