日本政府が新たに創設を検討している「国家情報局」。すでに存在する「国家安全保障局」とは何が違うのでしょうか?
高市首相が木原官房長官に創設を指示したことで、日本の情報体制の再構築が本格化しています。
この記事では、両者の役割・目的・指揮系統の違いを中心に、インテリジェンス強化の背景と課題をわかりやすく解説します。
・国家情報局は「情報の集約と分析」を担う新組織
・国家安全保障局は「外交・防衛政策の司令塔」
・両者の連携で官邸主導の安全保障体制を強化
・来年の通常国会で法案提出を視野に検討中
国家安全保障局(NSS)の役割
国家安全保障局(National Security Secretariat)は、2014年に設立された外交・安全保障政策の司令塔です。
外務省や防衛省の情報を統合し、国家安全保障戦略(NSS)を策定・運用する役割を担っています。
局長は首相直轄で、外交・防衛両面の危機管理を担う“政策の中枢”です。
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国家情報局(NIU)の構想と目的
一方で、高市首相が検討を指示した「国家情報局(National Intelligence Unit)」は、各省庁に分散する情報を集約・分析する新たな組織です。
内閣情報調査室(内調)を改組し、公安・防衛・外務など複数機関から出向者を集め、情報の一元管理を行う計画です。
国家情報局長を設け、首相と官房長官の直轄下に置くことで、インテリジェンス活動をより強化する狙いがあります。
外交や安全保障ニュースを深く理解するには、英語で一次情報を読む力が不可欠。
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| 項目 | 国家安全保障局 | 国家情報局(構想) |
|---|---|---|
| 設立年 | 2014年(安倍内閣) | 2026年前後に設立予定 |
| 主な機能 | 外交・防衛政策の調整と指揮 | 各省庁情報の集約と分析 |
| 指揮系統 | 首相直轄(政策主導) | 首相・官房長官直轄(情報主導) |
| 人員構成 | 外務・防衛・警察などから | 公安・防衛・外務・内調など横断 |
今後の課題:情報集中と透明性
国家情報局の誕生により、情報の一極集中が進む懸念もあります。
情報漏えいや恣意的な運用を防ぐ法的枠組みの整備が不可欠です。
一方で、迅速な判断を支えるインテリジェンス強化は、国際競争力の面でも避けて通れません。
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Q1. 国家情報局はいつ設立されますか?
A. 政府は2026年の通常国会に法案を提出し、数年以内の設立を目指しています。
Q2. 両者はどのように連携しますか?
A. 国家情報局が情報を分析し、国家安全保障局がその分析を政策決定に活用します。
Q3. 似た仕組みは他国にもありますか?
A. 米国ではCIAと国家安全保障会議(NSC)がそれに該当します。
国家安全保障局は「政策」、国家情報局は「情報」。この2つが連携することで、日本の安全保障はより機能的になると期待されています。
情報統制の透明性を確保しつつ、国際社会で存在感を高める体制づくりが求められています。







