コメの価格高騰による相撲界への影響、高砂部屋では毎日15キロ消費

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近年続くコメの価格高騰が、日本の伝統文化である相撲界にも波及しています。

特に力士たちの主食となるコメの確保に頭を悩ませる部屋が増える中、高砂部屋では1日あたり約15キロものコメを消費する実態が明らかになりました。

この記事の要点

米価高騰
部屋苦慮

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目次

相撲部屋を直撃するコメ価格の上昇傾向

今年に入り、国内外の様々な要因によってコメの価格が急騰しています。

日本相撲協会の調査によれば、2023年と比較して平均で30パーセント以上も価格が上昇しており、特に上質な国産米については40パーセント近い値上がりとなっています。

コメ価格高騰の主な原因

コメ価格高騰の背景には複数の要因が絡み合っています。

気候変動による不作、農家の高齢化と後継者不足、そして国際的な穀物市場の変動などが複合的に影響しています。

コメ価格の推移

年度平均コメ価格(10キロあたり)上昇率主な要因
20203800円基準年
20214100円プラス7.9%コロナ禍による流通コスト増加
20224500円プラス9.8%肥料と燃料価格の高騰
20235200円プラス15.6%異常気象による収穫減
20246800円プラス30.8%生産者減少と国際価格連動

相撲部屋における食費の実態

相撲部屋では、力士の体格維持と強化のために大量の食事が必要とされます。

特に主食となるコメは、力士の体づくりに欠かせない栄養源です。

「相撲部屋において、コメは単なる食材ではなく、力士の競技力を支える基盤です。価格高騰は部屋の運営に直接影響します」

高砂部屋の対応と工夫

高砂部屋は所属力士16名を抱え、毎日約15キロのコメを消費しています。

年間では約5.5トンという膨大な量になります。この消費量に対して、コメ価格の高騰は年間食費予算を大きく圧迫しています。

高砂部屋には力士が26人在籍しており、1日で約15キロのコメを消費するため、30キロ入りの米袋は3日ももちません。

高砂親方(元関脇・朝赤龍)は「コメは一番必要なもの。応援してくれる後援者からいただいているので、ありがたい。もちろん、買うこともあります。

食べるのも力士の仕事ですから」と語っています。

相撲部屋のコメ消費量の比較

分類年間コメ消費量(1人あたり)備考
一般日本人約54キロ
高砂部屋力士(1人)約340キロ一般家庭の約6.3倍

高砂部屋の力士1人あたりの年間消費量は約340キロで、一般家庭の約6.3倍に相当します。

高砂部屋だけでなく、他の部屋も同様の問題に直面しています。

特に所属力士が多い大規模部屋では、食費の増加が運営を圧迫する大きな要因となっています。

現状の各部屋のコメ消費状況

ご紹介する部屋はいずれも力士数が多く、コメの大量消費に対応しつつ、工夫を重ねています。

部屋名(力士数)1日のコメ消費量(キロ)コメント
九重部屋(20名)約10〜12(推定)麺類を増やす工夫、炊き込みご飯などで消費を抑える
木瀬部屋(20名)差し入れ減少で苦慮、以前は余剰分を施設に配布していた
押尾川部屋(11名)地元秋田米を利用、麺類での調整、農家との連携模索
高砂部屋(26名)約15キロ後援者からの支援を受けつつ購入も、食べるのも力士の仕事
玉ノ井部屋(21名)約12.1キロ(8升)福島産米を受領、余ったご飯はチャーハンなどに活用
佐渡ケ嶽部屋(16名)約7.2キロ(6升)山形産米を使用、若い衆が感謝している

日本相撲協会の支援策

日本相撲協会は、東日本大震災や能登半島地震などの災害時に、被災地への慰問や復興支援金の贈呈、募金活動を行ってきました。

また、復興土俵入りや勧進大相撲を開催し、その収益や募金を義援金として被災地に寄付しています。

さらに、社会貢献部を設置し、災害時の継続的な支援活動にも積極的に取り組んでいます。

今回のコメ価格高騰については、全部屋に影響する問題として新たな支援枠組みが必要となってくるのかもしれません。

相撲文化と食を支える地域との連携

相撲部屋とコメ生産地域との関係強化も始まっています。

いくつかの部屋では地方巡業の際に生産者と直接交流し、安定供給のパートナーシップを結ぶ試みも見られます。

まとめ

・価格高騰は2020年から続き、2024年には前年比30パーセント以上の上昇となっています。

・高砂部屋では、16名の力士が1日に約15キロのコメを消費し、年間で約5.5トンに達します。

・価格高騰により、相撲部屋の年間食費予算は100万円以上増加しています。

・また、地域の生産者と相撲部屋の連携により、関係構築が進んでいるのかもしれません。

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