高市政権、初の経済対策素案が判明──家計支援を前面に
2025年11月10日、政府が策定する経済対策の素案が明らかになりました。高市早苗首相が就任後初めて打ち出す本格的な経済対策で、プレミアム商品券やマイナポイントの発行支援を柱に、物価高で苦しむ家計を直接支援する内容となっています。
素案では、自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」を大幅に拡充し、地域で利用できるプレミアム商品券の発行を後押しします。さらに、コメ価格高騰への対応として「おこめ券」の活用も検討されており、食料品価格の上昇に悩む国民への配慮が色濃く表れています。
また、米関税の影響を受ける中小企業への資金繰り支援や、冬場の電気・ガス料金補助も盛り込まれ、家計と企業の両面から経済を下支えする総合対策となっています。
経済対策の主な内容
■ 2025年度経済対策素案の主要施策| 施策分野 | 具体的内容 |
|---|---|
| 地域消費支援 | プレミアム商品券・マイナポイント発行支援 |
| 食料品価格対策 | おこめ券の活用検討(コメ価格高騰対応) |
| 中小企業支援 | 米関税影響企業の資金繰り支援 |
| 光熱費負担軽減 | 冬場の電気・ガス料金補助 |
| 財源 | 重点支援地方交付金の拡充 |
| 閣議決定時期 | 2025年11月下旬予定 |
政府は素案を基に、与党の自民党と日本維新の会と調整を進め、11月下旬に正式に閣議決定する見通しです。
プレミアム商品券とおこめ券──地域経済活性化の切り札
今回の経済対策で注目されるのが、プレミアム商品券とおこめ券の発行支援です。
プレミアム商品券は、購入額以上の金額が使える地域限定の商品券で、過去にも消費喚起策として活用されてきました。例えば、5,000円で6,000円分の買い物ができるといった仕組みで、消費者にとってはお得に買い物ができ、地域の商店街や中小店舗にとっては売上増加につながります。
一方、おこめ券は、コメの購入に特化した商品券です。2024年から2025年にかけて、異常気象や世界的な食料価格高騰の影響でコメ価格が急騰しており、家計を直撃しています。おこめ券の導入により、主食であるコメの購入負担を軽減し、食料安全保障の観点からも国民生活を守る狙いがあります。
JA全中(全国農業協同組合中央会)もおこめ券での対応を支持しており、「大変ありがたい」とコメントしています。
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米関税対策と中小企業支援──国際情勢への対応
経済対策素案には、米関税の影響を受ける中小企業への資金繰り支援も明記されています。
米国の関税政策は、日本の輸出企業、特に中小製造業に大きな影響を与えています。原材料費の高騰や輸出先の減少により、経営が圧迫される企業が増加しており、政府は融資条件の緩和や保証制度の拡充を通じて、これらの企業を支えます。
高市首相が掲げる「強い経済」の実現には、大企業だけでなく、地域経済を支える中小企業の活性化が不可欠です。今回の対策は、国際的な経済環境の変化に対応しながら、国内産業基盤を守る姿勢を明確にしたものと言えます。
電気・ガス料金補助で冬場の家計負担を軽減
冬場の電気・ガス料金の補助も、今回の経済対策の重要な柱です。
エネルギー価格の高騰は、特に寒冷地の家庭に深刻な影響を与えています。暖房費の負担増は、低所得世帯ほど家計に占める割合が大きく、生活を圧迫する要因となっています。
政府は、電気・ガス料金の一部を補助することで、冬場の家計負担を軽減し、「生活の安全保障」を確保する方針です。この補助は、過去にも実施されており、一定の効果が確認されています。
高市首相が掲げる「3つの柱」
高市首相は就任直後に、経済対策の3つの柱を明示しました。
1. 生活の安全保障・物価高への対応
プレミアム商品券、おこめ券、電気・ガス料金補助など、家計を直接支援する施策が該当します。
2. 危機管理投資・成長投資による強い経済の実現
中小企業の資金繰り支援や、賃上げ・投資促進策がこれに当たります。国際的な経済リスクに対応しながら、持続的な成長を目指します。
3. 防衛力と外交力の強化
今回の素案には直接的な記載は少ないものの、安全保障分野への投資も視野に入れた総合的な政策パッケージとなる見込みです。
補正予算の規模は過去最大級か
今回の経済対策を裏付ける2025年度補正予算は、今国会で成立させる方針です。
2024年度の補正予算は約13兆9千億円でしたが、今回はこれを上回る規模になるかどうかが注目されています。財政規律との兼ね合いも議論されますが、物価高や国際情勢の不透明感を考慮すれば、大規模な財政出動が必要との声も強まっています。
自民党と日本維新の会との調整が進む中、最終的な予算規模がどの程度になるのか、今後の動向が注目されます。
よくある質問
Q1: プレミアム商品券はいつから使えますか?
A: 経済対策が11月下旬に閣議決定され、補正予算が成立した後、各自治体が具体的な発行スケジュールを決定します。早ければ2025年末から2026年初頭にかけて利用可能になる見込みです。詳細は各自治体の公式情報をご確認ください。
Q2: おこめ券はどこで使えますか?
A: おこめ券は、スーパーマーケット、米穀店、農協などで使用できる見込みです。ただし、現時点では検討段階であり、具体的な利用方法や対象店舗は今後決定されます。
Q3: マイナポイントはどのように付与されますか?
A: マイナンバーカードを活用したポイント付与制度で、過去にも実施されました。今回の経済対策でも同様の仕組みが想定されており、マイナンバーカードと連携した決済サービスでポイントが付与される可能性が高いです。
Q4: 電気・ガス料金の補助はどのくらいの金額ですか?
A: 具体的な補助額は閣議決定後に明らかになりますが、過去の事例では1世帯あたり月数千円程度の補助が行われました。今回も同程度の規模が想定されています。
まとめ──家計と企業を守る総合経済対策
高市政権が打ち出す経済対策素案は、プレミアム商品券、おこめ券、電気・ガス料金補助といった家計への直接支援と、中小企業の資金繰り支援を両輪とした総合的な内容となっています。
物価高が続く中、国民生活を守りながら、「強い経済」の実現を目指す高市首相の姿勢が色濃く反映された政策パッケージと言えるでしょう。
11月下旬の閣議決定と補正予算の成立を経て、具体的な施策が動き出します。プレミアム商品券やおこめ券の発行、電気・ガス料金の補助など、私たちの生活に直結する支援が間もなく始まります。
各自治体の情報をこまめにチェックし、賢く活用して家計を守りましょう。
