コメ5キロ3500円目標！神明HD社長が値下げ提言

1. 発言の概要（何が起きたのか）

2025年11月30日までに、コメ卸売最大手・神明ホールディングス（神戸市）の社長が共同通信の取材に対し、「コメの店頭価格は5キロ3500円にすべきだ」と発言。コスト削減に加え、JAグループや小売店に協力を要請して値下げを実現する考えを示しました。

社長は価格高騰が自社業績にはプラスであることを認めつつも、「消費者がコメから離れれば産業全体が成り立たなくなる」と強い危機感を表明。異例の「値下げ提言」として注目を集めています。

2. 価格高騰の背景・原因

社長によると、現在の高騰は2022年産米から需要に対し供給が不足したことが発端。国が需給見通しを誤ったことで、需給が逼迫しました。

2025年産は増産となったにもかかわらず価格が下がらない理由として、集荷業者が農家への支払いを大幅に引き上げた結果、消費者が買える水準を大幅に超えてしまったと指摘。特にJAなどの出荷団体が調達価格に上乗せする金額が大きすぎる問題を強調しています。

農水省発表の相対取引価格（玄米60kg）は2025年10月時点で過去最高の3万7058円。社長は「理想は2万5000円程度」とし、1万円以上も高い水準が続いている現状を問題視しています。

3. 関係者の動向・コメント

神明HD社長は「自分たちだけ値下げしても意味がない」とし、JAグループや他の卸、小売業者にも協力を強く求めていく方針を示しました。

一方、JA側からは現時点で具体的な反応は報じられていませんが、農家の収入確保との間で難しい調整が予想されます。

消費者団体からは「ようやく業界大手が本気で動いてくれた」「3500円ならまたコメを買う家庭が増えるはず」と歓迎の声が上がっています。

4. 現在の価格実態と影響

2025年11月時点の店頭価格は以下の通りです（主要スーパー平均）

• 5キロ袋（コシヒカリ等）：5200〜6200円
• 10キロ袋：1万1000円前後が主流
• 2023年比：約1.8〜2倍に高騰

総務省家計調査では、コメの購入量は2024年からさらに減少傾向にあり、特に若年層の「コメ離れ」が深刻化。パンや麺類へのシフトが加速しています。

5. 業界・行政の対応

神明HDはすでに自社でコスト削減に取り組み、物流効率化や包装資材の見直しを進めています。

農林水産省は2026年産に向けて生産調整の強化を検討していますが、農家の反発も予想され、抜本的な対策は遅れている状況です。

6. 専門家の見解や分析

食品流通専門家は「卸大手の社長がここまで踏み込んだ発言をするのは極めて異例。業界が存亡の危機感を持っている証拠」と評価。

「3500円という数字は、2020年頃までの標準価格に戻すという意味。消費者心理の壁である4000円を大きく下回る水準で、現実的な目標」と指摘する声も。

一方で「JAの上乗せをどこまで抑えられるかが最大の焦点。農家収入とのバランスが崩れれば、逆に生産意欲が低下するリスクもある」と慎重論もあります。

7. SNS・世間の反応

Xでは「#コメ5キロ3500円」「#神明社長ありがとう」などがトレンド入り。

• 「やっと大手が言ってくれた！これでコメ復活してほしい」
• 「3500円なら毎日コメ食べるわ」
• 「JAの上乗せやめろよ。農家も大事だけど消費者も大事だろ」
• 「社長、株主に怒られないのか…？でも応援する」

消費者からの支持が圧倒的に多く、業界への期待が高まっています。

8. 今後の見通し・影響

神明HDの動きが他の大手卸（例：木徳神糧、東洋ライスなど）にも波及すれば、2026年春以降に一定の値下げが実現する可能性があります。

最も注目されるのはJAグループの対応。仮に上乗せ幅を抑制できれば、5キロ4000円を切る価格帯が現実味を帯びてきます。

逆に調整が失敗した場合、コメ離れが不可逆的なものとなり、日本食文化そのものに影響を及ぼす恐れも指摘されています。