粉もん店倒産が過去最多28件、物価高で廃業ラッシュの深刻実態

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粉もん店倒産が過去最多となる28件を記録したことが、東京商工リサーチの調査で明らかになりました。お好み焼き・焼きそば・たこ焼きといった「粉もん」は、庶民の食文化として長年親しまれてきましたが、2025年はその存続が岐路に立たされています。小麦粉や野菜などの食材費高騰、光熱費の上昇、さらに人件費の増加という三重苦が重なり、特に資本力の乏しい小規模店舗が次々と廃業に追い込まれています。近畿地方だけで全体の7割超を占めるという地域的な偏在も深刻で、大阪・関西万博のインバウンド需要も焼け石に水となった格好です。なぜ、これほどまでに粉もん店の倒産が急増しているのでしょうか。そして、2026年以降も増加が続くと予測されるなか、業界と消費者にとって何が変わるのでしょうか。あなたも、近所のお気に入りの粉もん屋が突然閉店して驚いた経験はありませんか?

📌 この記事の要点

  • 2025年の粉もん店倒産は28件(前年比33.3%増)で集計開始の2009年以降最多
  • 負債総額は17億7,400万円と前年比3.3倍に急増
  • 倒産の約71.4%が近畿地方(大阪が11件でトップ)
  • 倒産原因の78.5%が「販売不振」、個人企業が64%を占める
  • 東京商工リサーチは2026年も増加傾向が続くと予測
この記事で得られる情報

① 何が起きたか:粉もん店倒産が過去最多に

東京商工リサーチが発表したデータによると、2025年における「お好み焼き・焼きそば・たこ焼き店」の倒産件数は28件に達し、同調査の集計が始まった2009年以降で過去最多を更新しました。前年との比較では33.3%増という急激な上昇率です。件数だけでなく、負債総額も前年比3.3倍の17億7,400万円に膨らんでおり、個々の倒産規模も大型化していることがうかがえます。長年にわたって庶民の食を支えてきた粉もん文化が、かつてない危機に直面しています。

② 発生の背景・原因:三重苦が中小店を直撃

倒産急増の主因は、コスト面での多重的な圧迫です。まず、主原料となる小麦粉の価格は世界的な供給不安や円安の影響で高止まりしており、キャベツ・ねぎ・もやしといった野菜類も不安定な相場が続きました。加えて電気・ガスなどのエネルギーコストが上昇し、鉄板を使う粉もん店は特に光熱費の影響を受けやすい構造です。さらに最低賃金の引き上げによる人件費増が追い打ちをかけました。こうしたコスト増を価格転嫁することが難しい点も深刻で、お好み焼きやたこ焼きは「安くて当たり前」という消費者意識が根強く、値上げによる客離れリスクが大きいとされています。

③ 関係者の動向・コメント

東京商工リサーチ関西支社は、2026年も近畿を中心とした粉もん店の倒産増加が続くとの見通しを示しています。大阪・関西万博を契機としたインバウンド需要への期待も、万博終了後は薄れると分析しており、需要の一時的な盛り上がりが根本的な経営改善につながらなかった店舗が多いことを示唆しています。業界団体や地域商工会でも、経営指導や融資相談の件数が増加傾向にあるとの声が上がっており、現場レベルでの危機感は高まっています。

④ 被害状況:負債17億円超・近畿に7割超集中

2025年の倒産28件のうち、都道府県別では大阪が11件でトップ。京都が4件、兵庫・滋賀が各2件と続き、近畿地方だけで合計20件(71.4%)を占めます。次いで中部地方が4件でした。負債総額は17億7,400万円で、前年の約5億3,000万円から約3.3倍に急拡大しています。これは単純な件数増ではなく、一件あたりの負債規模も増大していることを意味します。また、倒産した事業者の64%が「個人企業・その他」に分類される零細規模であり、社会的なセーフティネットが届きにくい層に集中していることも懸念される点です。

⑤ 行政・支援機関の対応

中小企業庁や各都道府県の商工労働部では、物価高騰対策として補助金や融資制度の拡充を継続しており、飲食店向けの経営改善支援も行われています。しかし、申請手続きの煩雑さや情報の届きにくさから、特に個人経営の店舗では制度を活用できないまま廃業するケースも少なくないとされます。大阪市では万博関連のプロモーション施策として飲食店支援を実施しましたが、その恩恵が粉もん店の零細層にまで十分届いていたかどうかは、今後の検証が求められます。

⑥ 専門家の見解・分析

飲食業界の経営コンサルタントや中小企業診断士の間では、粉もん店特有の「低価格帯商品+高固定費構造」が今の物価環境と相性が最も悪いという見方が広がっています。粉もんは元来、安価で気軽に食べられるB級グルメとしての地位を保ってきましたが、その「安さ」そのものがコスト転嫁の足かせとなっています。また、大手チェーンや冷凍食品との競争が激化しており、個人店が差別化を図るための設備投資や商品開発に回せる資金的余裕がないまま、じわじわと体力を奪われている実態も指摘されています。

⑦ SNS・世間の反応

今回の報道を受け、SNS上では「近所の老舗たこ焼き屋が閉まった理由がわかった」「値上げしてもいいから長く続けてほしい」といった地元店舗を惜しむ声が多く見られました。一方で「インバウンドで儲かっていると思っていた」「万博の恩恵はごく一部では」という冷静な分析も散見されます。また「粉もんはソウルフード。行政が守るべきでは」という意見や、「個人店には限界。フランチャイズ化が必要か」という現実的な議論も起きており、食文化の継承と経済合理性の間での葛藤が浮き彫りになっています。

⑧ 今後の見通し・影響

東京商工リサーチは2026年も粉もん店の倒産増加が続くと予測しています。物価高は当面収束しない見通しで、万博終了後のインバウンド需要の落ち込みも重なり、特に近畿地方の中小・零細規模の店舗には引き続き厳しい局面が続きます。一方で、生き残る店舗は高付加価値化・EC展開・観光との組み合わせなど、経営の多角化で差別化を図る動きも出てきています。粉もん文化そのものが消えることはないでしょうが、担い手の構造が「個人経営中心」から変化していく可能性があります。大阪の食文化を守るためのエコシステム構築が急務といえるでしょう。

⑨ よくある質問(FAQ)

Q. 粉もん店はなぜ値上げしにくいのですか?

A. お好み焼きやたこ焼きは「手軽で安い食べ物」というイメージが定着しており、価格を上げると客足が遠のくリスクが大きいためです。消費者の価格感度が高い商品ジャンルであるため、コスト増を販売価格に転嫁することが難しい構造になっています。

Q. なぜ近畿地方に倒産が集中しているのですか?

A. 大阪を中心とする近畿地方は粉もん文化が特に根付いており、店舗数自体が多いことが要因の一つです。また、競争が激しく、体力のない小規模店が淘汰されやすい市場環境にあることも影響しています。

Q. インバウンド需要があっても倒産するのはなぜですか?

A. 万博期間中のインバウンド需要は確かに増加しましたが、恩恵を受けたのは観光客が集まる一部のエリアや有名店に偏りがちでした。一般的な住宅地の粉もん店や個人経営の小規模店には需要の増加が届かず、コスト高だけが重くのしかかるケースが多かったとされています。

Q. 2026年以降も倒産は増え続けますか?

A. 東京商工リサーチは2026年も倒産増加が続くと予測しています。物価高の継続と万博後のインバウンド需要の減少が主な理由です。ただし、高付加価値化や業態転換で生き残る店舗も出てくるとみられています。

⑩ まとめ

2025年の粉もん店倒産過去最多28件という数字は、物価高・人件費増・競争激化が重なった「三重苦」の結果です。大阪を中心とする近畿に集中する構造的な問題は、食文化の担い手である零細個人店が最も脆弱な立場に置かれていることを示しています。万博効果も限定的にとどまり、2026年以降も厳しい状況が続くと予測されるなか、行政の支援策の実効性向上と、業界全体の付加価値向上への取り組みが急がれます。粉もん文化を次の世代に引き継ぐためにも、消費者・事業者・行政が連携した構造的な支援策の議論が今こそ必要です。

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※当ブログは英会話教室「NOVA」とは一切関係ありません。ブログ名、ドメインに含む「nova」は偶然の一致です。

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