東温市会社役員がSNS投資詐欺で1080万円被害の実態

1. 事件概要（何が起きたか）

2025年11月28日、愛媛県警察は東温市在住の会社役員（60代男性）がSNS型投資詐欺で現金1080万円をだまし取られたとして、特殊詐欺事件として捜査を開始したと発表しました。

被害の経緯は以下の通りです。

• 2025年8月下旬：SNS上で投資広告を発見し、偽の投資グループに招待される
• グループ内で「主催者」「アシスタント」を名乗る人物から高収益を約束される
• 指定された投資アプリをインストール
• 9月1日：初回100万円を指定口座に振り込み→アプリ上で利益表示＆出金手続きが成功
• これを信用し、9月3日～10月20日の間に追加で980万円を送金
• 出金申請しても応答がなくなり、詐欺であることに気づく

警察は「典型的なSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の亜種」と見ており、犯行グループは海外拠点とみられています。

2. 発生の背景・原因

SNS投資詐欺が急増している背景には、以下の要因があります。

• SNS広告の規制が追いついていないこと
• コロナ以降の投資ブームで「簡単に儲かる」情報に敏感な層が増加
• 犯行グループが「最初は少額出金できる」仕組みを巧みに利用し、信頼を築く
• LINEなどクローズドな場に誘導することで、証拠が残りにくくなる

特に60代の経営者層は「事業資金に余裕がある」「新しい投資に積極的」なため、ターゲットにされやすい傾向があります。

3. 関係者の動向・コメント

被害を受けた会社役員は警察の発表時点でコメントを控えていますが、取材に対し「最初は本当に利益が出ていると思い込んでいた。恥ずかしくて誰にも相談できなかった」と語ったとされています。

愛媛県警察生活環境課は「同様の手口で県内だけでも今年に入り十数件の相談が寄せられている」とし、注意喚起を強化しています。

4. 被害状況（金額・人数）

本件の被害額は確定で1080万円。警察発表では「他にも同グループの被害者が全国に多数いる可能性が高い」としています。

全国統計（2025年上半期・警察庁発表）では、SNS型投資詐欺の被害総額は約420億円、認知件数約1.8万件に上っており、前年比約2倍のペースで増加しています。

5. 行政・警察・企業の対応

愛媛県警察は専用相談窓口を設置し、SNS各社に対し広告審査の厳格化を要請。金融庁も2025年10月に「未登録業者との取引禁止」を改めて周知しました。

SNSプラットフォーム側も投資関連広告に「詐欺警告表示」を試験導入していますが、抜け道が多く完全には防げていません。

6. 専門家の見解・分析

詐欺事件に詳しい弁護士は「この『出金できる演出』は2024年頃から急増した新手口。被害者の9割以上が60代以上の経営者・資産家で、平均被害額は1500万円を超える」と指摘。

また、心理学の観点からは「一度でも成功体験を与えられると、人は論理的思考が麻痺する（認知バイアス）」と説明されています。

7. SNS・世間の反応

X（旧Twitter）では「また同じ手口か…」「出金できるのが一番怖い」「60代経営者が狙われてるってヤバい」などの声が相次ぎ、投稿は数万リポストに達しました。

特に「自分は騙されないと思っていたのに…」という当事者の声が多く、リスクの実感が広がっています。

8. 今後の見通し・影響

犯行グループは海外拠点のため逮捕は極めて困難。被害金回収の可能性はほぼゼロと見られています。

一方で、この事件をきっかけに地方銀行や信用金庫が「投資詐欺防止セミナー」を強化する動きも出ています。

9. FAQ

10. まとめ